太陽光とビタミンDについて

1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる

1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる

 

 

1日15分、「日なたぼっこ」するだけで健康になれる-リチャード・ホブデイ著』を読んでみました。

 

意外だった内容や役立ちそうな内容を列挙しておきます。

 

・特に印象的だったのは、太陽光は皮膚がんの原因といわれているけれど、本当の原因は室内の人工照明(蛍光灯)が原因なのでは?という問題提起がされていたことです。

 

・また、UV-Bは日焼けやシミの原因になるけれど、ビタミンDを作るのに欠かせないので、シミにならない程度に浴びたほうがいいとも。紫外線にも感染症予防などのいろんな効果があるということを初めて知りました。

 

・ただこの著者は、“吸収率が良いので顔と腕に直接浴びたほうがいい”と主張していましたが、それについてはシミの原因にもなるのでどうかなと思いました。

 

(以下引用)

環境リスク(皮膚がんなどのリスク)としては、強い紫外線を断続的に浴びることが挙げられる。いっぽうビタミンDを体内で生成するには、穏やかな紫外線を一定時間浴びることが必要だ。

 

最近では、ビタミンDがむしろ悪性黒色腫を防いでいるのではないかと指摘する研究結果も現われている。

 

最近、UVA(紫外線A波)が血圧を下げる新たな証拠が見つかった。私たちの皮膚は大量の一酸化窒素をたくわえているが、UVAを浴びることで、この一酸化窒素が血液中に拡散し、動脈を広げて血圧を下げるというのである。

 

太陽光線に含まれる赤外線は、傷口の治癒や鎮痛に効果を発揮する。

 

人間でも、保菌者の鼻腔内に存在するMRSAを赤外線が不活性化させたという報告がある。

 

日焼けの原因となるのは、UVA(紫外線A波、波長三二〇~四〇〇ナノメートル)とUVB(紫外線B波、波長二九〇~三二〇ナノメートル)である。

 

UVBは表皮に吸収されて短時間で日焼けを起こすが、皮膚の奥までは浸透しない。UVBによる日焼けはサンバーンと呼ばれ、皮膚が炎症を起こし、赤くなった状態となり、しみや皮膚がんの原因ともなる。

UVAは、UVBより皮膚の深部にまで到達して、皮膚細胞の性質を変えてしまう。痛みはないものの、皮膚は褐色になる。これがサンタンと呼ばれる日焼けだ。

 

太陽光線は乾癬、一部のにきび、湿疹といった一般的な皮膚病、それに菌状息肉症というめずらしい悪性リンパ腫に効果を発揮する。皮膚に感染した細菌や真菌も殺してくれる

 

赤道からはるか離れた緯度のところでは一〇月から三月まではいくら太陽の下にいても皮膚でビタミンDはほとんどつくられない。生成に関わる波長のUVBが地上に届かないからだ。

 

(UVBを吸収するのに最適な時期) 五月、六月、七月の午前一〇時~午後三時の太陽光線

 

カルシウムとリンの適切なバランスを保ってくれるのがビタミンD

 

ビタミンDの量が適切な範囲内にあれば、マグネシウムの吸収がよくなる利点がある。

 

食事やサプリメントにばかり頼るのではなく、春から夏にかけて屋外で日光浴をしたほうがいい。

 

正常血圧の人でも紫外線を一度浴びるだけで血圧が下がり、高血圧の人だと顕著に下がることはすでに実験で確認されている。血圧を下げる効果があるのはUVBだけで、UVAは関与していないことがわかった。

上の記述で「UVA(紫外線A波)が血圧を下げる」と書かれていたのですが、ここでは「UVAは関与していない」となっています。いろんな研究があるので、まだ結論は固まっていないということでしょうか。

 

体内のビタミンDを維持しつつ皮膚がんのリスクを減らすには、四月から一〇月までのあいだ、一日約三〇分、顔と両腕を日光にあてるだけでよい、と結論づけた。

 

動脈硬化の患者に紫外線を照射すると、心電図の数値と血液像が改善したという報告がある。

 

太陽光線は、有毒物質の体外排出もうながしてくれる。

 

可視光線に含まれる青色光が血液中のビリルビンの分解を促進

 

夏の太陽を充分に浴びておかないと冬場に体内のビタミンDが不足して、冬季うつ病になる危険がある。

 

蛍光灯が職場に普及したのは一九五〇年代からだが、それが悪性黒色腫(メラノーマ)の増加に関係している可能性が、疫学的調査や臨床、動物実験で指摘されている。

 

強烈な人工照明は身体に強いストレスになる。

 

蛍光灯の光は、悪性黒色腫(メラノーマ)との関係も疑われている。

 

アメリカの内科医ザイネ・カイムは、一九八〇年に出版した著書『日光があなたの生命を救う(Sun light Could Save Your Life)』(邦訳未刊)のなかで、四一歳の乳がん患者に日光療法を行なった例を紹介している。この患者はすでに乳房を切除し、化学療法も受けていたが効果はなく、がんが肺と骨に転移していた。カイムはがん自体を治療するのではなく、全身の健康状態を改善することを試みた。口にするのは未精製・未加工の食べ物だけで、多価不飽和脂肪酸を多く含む油脂は徹底的に排除する。そして日光浴を積極的に行なった。すると患者はわずか数か月で仕事に復帰し、転移したがんの症状も現われなかった。

ここで大切なのは、多価不飽和脂肪酸を徹底的に排除するということだそうです。
シミの原因は多価不飽和脂肪酸といわれているので、太陽の光を浴びる前に多価不飽和脂肪酸(主に植物性の種のオイル)を排除するのは理にかなっているといえます。

それにしても、昔から太陽光が治療に用いられてきたというのは驚き。今では紫外線の害ばかりが注目されているというのに・・・

 

多発性硬化症
原因は不明だが、緯度が上がるにつれて大幅に増加する傾向があり、幼少期から青年期にかけて太陽光をふんだんに浴びることで、後年の発症が防げるともいわれている。

 

多発性硬化症において、緯度が重要な危険因子になっていることが最初に指摘されたのは一九二二年のことだ。一九六〇年には、年間および冬季の日照時間と相関関係があることが判明し、太陽光線が直接・間接の予防効果を発揮することがわかった。

 

ビタミンD多発性硬化症を防いでいることを示す状況証拠もある。スイスでは紫外線の強い高地の発生が少ない。またノルウェーでは、魚を食べてビタミンDを多量に摂取する沿岸部のほうが、内陸部より発症例が少ない。魚をたくさん食べる日本も、緯度のわりに患者が少ない国である。

 

これだけの効果があるとなると、早く春が来ないかなと待ち遠しくなってきました。私の感覚では、冬でも晴れた日ならある程度効果はあるんじゃないかなと思っています。

 

それにしても、今まで一生懸命、紫外線を避けて日陰ばかり選んでいたのはなんだったんだろうか。

むしろ、一生懸命免疫力を弱めていたということになるのですね。